生い立ち

先輩のサバニ帆漕チームから、乗船機会が少なくなったからと譲り受ける事になったこのサバニは、従来は南城市で漁業に使われていたフカアッキサーブニ。その先輩チームでは、主に女性メンバーがアウトリガーを装備して乗船していたのだと言います。

今となってはその理由を知る由はないのですが、何故かこのサバニにはスパンカーの艤装が施されていました。つまり、後方にもやや小振りのウシカキーが備え付けられており、また船底にはマストステップ代わりの凹みもありました。





整備のために塗装を剥がしてみたところ、スクジーのナカングァの両方、またハラケーギの何カ所かが新しい材と置き換えられており、かつて大きな補修作業がなされていた事が解りました。残念ながら、あちこちの隙間を埋めるために、木材ではなくコーキングのみで処理がされている箇所も多かったため、当初の予想を大幅に覆して、何と半年以上も補修に費やす事になってしまいました。が、綾風同様に、舟の構造やサバニの船体の成り立ち等、南風は実に様々な事を私達に教えてくれました。
修理の工程にご興味がある方は、写真アルバムを是非ご覧下さい。



特徴

南風の船体の縦横比は、6.8:1と、例えば6.2:1の綾風や他のサバニと比べても、かなり細長い船体プロフィールである事が判ります。

そのスリムさ故に、当初はローリングが激しい舟である事を覚悟していたのですが、その予想は良い方向で見事に裏切られました。初めての帆漕の時も、南風は沈の危険性を微塵も感じさせる事もなくスムーズにタックにもジャイブにも対応してくれました。

船体重量は、恐らく120〜150Kgの範囲ではないかと考えられ、大人3人いれば持ち上げる事が可能です。漕ぎに対する挙動は極めて素直で、且つ一回の漕ぎで得られた推進力がしばらくの間継続するため、水に対する抵抗力がとても小さい船体であると考えています。



カーラ


テスト帆漕の結果、僅かながらも横流れを抑える必要性が認められたため、根太用の杉材を一枚だけ設置する事にしました。



艤装の工夫

背もたれ


今回、南風に設置したハイグァー・背もたれが細すぎて背中が痛いため、板を背もたれ替わりに設置してみたところ、実にこれが使い良い事が解りました。緩く縛ってあるために角度も変える事が出来、また左右への位置の変更にも簡単に対応可能です。